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お金を支払えば経費?これで節税を考えているなら注意。経費にならない「支払い」はある。

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節税を考えたとき、経費で節税という発想は手短です。

経費で節税とする場合、お金の支出を伴うわけですが、支払いをしても経費とならないものがあります。

支払っても経費とならない「支払い」は案外あるもので、注意したいところです。

支払えば経費、ではない「支払い」はある

節税、税金を少なくしたいと思ったとき、思いつくのが経費で節税という発想です。

確かに、経費があればその分、税金計算のベースとなる利益は小さくなり、個人も法人も税金を減らす効果があることは確かです。

もちろん、不要な支払いにお金を使ってしまえば、税金は払わずに済んでも、手元のキャッシュは残らなくなってしまうので(利益=もうかったお金)、必要なことに使って節税をするべきところ。

しかしながら、仕事を進めるなかで必要と思われる支払いでも、支払いが経費とならない支払いがあります。

支払っても経費とならない、支払い

お金の支払いをしても経費とならないものは案外あり、注意したいところ。

そのなかでも、よく聞かれるものについて紹介してみます。

・借入金の元本

金融機関で借りたお金を返す場合、その返済元本は経費とはなりません。

よく聞かれるものとして、「利益が出そうだから、借入全額返済したら経費になるんだっけ?」といった話があります。

借りたお金を返す、借入金の返済は、ただお金を返しただけで、支払いは生じていますが経費とはならないものです。

逆に、かつて借りたときに口座に入って来た借入総額が、その分売上になっていたでしょうか。そうではなかったはず・・・。

入って売上にはならず。支払って経費にならず。です。

ただ、利息の支払いは経費となります。

・法人税等の税金

「えっ、税金払っても経費にならないの?」

実は、個人事業主が支払う所得税、法人が支払う法人税等は、経費とはなりません。

税金は、一部のものを除いて経費とならないものが多々あります。特に、利益をベースに計算する税金は、ほとんど経費とはなりません。

個人でいえば、所得税・住民税は経費とはならず、

法人なら、法人税等と言われる法人税・地方法人税・都道府県民税や市民税は経費とはなりません。

一部、事業税は経費になりますが、大きな税金であるこれらは、経費とは出来ないことになっています。

法人の決算書の場合、損益計算書の一番下、「法人税等」に記載があり、それを差し引いて当期純利益が出ていますが、そのうち、法人税等は税金計算上、利益にプラスすることになるので、結果として税金を安くはしません。

一部、経費となる税金もあります。

自動車税や印紙税、税込経理の場合の消費税、固定資産税などは経費となります。

・株主への配当金

「利益が出たから配当しよう」「これで税金安くなるかな?」

会社がもうかった分について配当をする場合、節税という部分ではメリットがありません。配当金を支払っても、経費とはならないことになっています。

配当金は、出資の払い戻しであるとか、課税されて残った利益を分配するからという意味付けで、経費とは出来ないルールです。

特に、ひとりでビジネスをやられている、ひとり社長が、自分だけが株主である場合に、配当金を支払って経費としようとしているケースは注意です。お金を自分の手元に持って行きたいというのであれば構いませんが、節税という旨みはありません。

また、配当金は、もらった側が課税されるので、その分税金がかかることにも気を付けておきたいところです。

ここまで、よく聞かれる「支払いはあるけれど、それが経費とはならない」ものを紹介してきました。これ以外にもあり、何年分も支払ったもののうち一年分しか経費にならないとか、タイミング、時期といったもので経費とならないものもあります。

経費にならなければ、節税できず、お金残らず

経費を支払って節税を考えるときに期待するのは、支払った分に見合った税金を小さくすることです。

たとえば、経費となるものに対して100万円支払った場合、法人の実効税率30%が課税されるとして、100万円のうち30%の30万円の節税が出来たことになります。

しかし、支払ったけれど経費にできないものに対して支払ってしまえば、30%の節税は見込めず、その分の税金支払いは生じます。

支払ったが、節税とはならず、お金も出て行ってしまい残らず、ということになります。

世の中には、「節税になる」という話を持って、話を振ってくる業者もいますが、よくよく聞くと、ほとんど節税にならないというケースもあり、結果騙されたということも少なくありません。

小さくとも、お金はお金。支払って節税を考えるなら、それが経費となるのか?事前に分かっておく必要はあります。

編集後記

年末年始、1月から気持ちを切り替えて違った視点からランニングをしようと、ランニング関連の本を読んでました。

走ることについての本はほぼ読まずにきているので、ここらで集中的に学んでいくつもりです。


クラウド会計ソフト対応の税理士 野田翔一です

さいたま市大宮にてクラウド会計ソフトを専門をはじめとしてサービス提供をしている税理士です。クラウド会計ソフトを使った経理の効率化、請求書や給与ソフトとの連携で経理を楽にする提案・キャッシュレス対応へのアドバイスなどを得意としています。税務顧問・スポット相談いずれも対応しています。 税理士野田翔一税務コンテンツHPはこちら 代表プロフィール税務顧問 スポット税務相談 クラウド会計導入コンサルティング
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