スポンサーリンク

利益が出ていても納税するお金がない?仮想通貨で得た利益の税金が払えないとはどういうことか?

Pocket

29年分の個人所得税の確定申告が2月16日から始まります。

「仮想通貨利益に対する税金が払えない」

Googleのアラートで仮想通貨と税金に関するキーワードを設定しておくと、最近そうした記事のピックアップがとても多くなっています。

利益が出ているのに税金が払えない?

これらはどういうことか?まとめてみました。

(執筆時点の法令等の現況により、執筆しています。)

仮想通貨利益に対する税金の概要

個人所得税の確定申告をする場合、その取引が事業的規模である場合を除いて、原則として雑所得という所得区分ですることとされています。

サラリーマンの方が勤めに出て給与をもらいつつ、仮想通貨投資を行っていたというケースであれば、基本的に仮想通貨利益は雑所得とするのが妥当でしょう。29年分の確定申告は、仮想通貨利益の雑所得と、給与の所得を合計して行うことになります。

基本的な内容については、国税庁からリリースされた情報を元に、以前書きました。

ビットコイン等の仮想通貨の売却利益は、個人所得税の確定申告では基本的に雑所得として処理。仮想通貨利益と税額の計算の流れ。

仮想通貨で利益を認識するケースで多いものとしては、以下の売却と交換が挙げられます。

・仮想通貨を売って現金に換えた

例→10万円で買った1BTCが150万円になったので、すべて売った。(140万円の利益)

・仮想通貨で他の仮想通貨を買った

例→10万円で買った1BTCが150万円になっている段階で、1BTC全部を使って他の仮想通貨を150万円買う。(仮想通貨の交換ではあるが、140万円の利益)

その他、仮想通貨の分裂(ハードフォーク)で得た事例やマイニングのケースがありますが、一般的には少ないのかなと。

上記のように、売って140万円儲かったのなら話は簡単です。持っている140万円(豪遊して使っていなければ・・)を原資に税金を払えば良いでしょう。

個人の所得税の確定申告は、暦年(1月1日~12月31日)区切りで行われるため、この一年中に得た所得に対して、その年の税金を納めることになります。

ここで問題となるのが、仮想通貨で仮想通貨を買っているケース。29年中に、上記のように、10万円で買った1BTCが150万円になった段階で他の仮想通貨を買って、それを保有したまま年を越したケース。実は、これが仮想通貨利益で税金が払えないことに繋がります。

仮想通貨利益で税金が払えない理由

仮想通貨の価格は、29年は上昇傾向で、一時的な下げもありましたが結果的に上がり続けていました。

しかしながら、30年に入り一転して下げました。この辺りは周知のとおりでしょう。

そこで、仮想通貨で仮想通貨を買ったことと税金が払えないという話。

100BTCを1000万円で買って、後に8000万円になった段階で、そのまま8000万円分他の仮想通貨を買ったとします。(手数料は考慮せず)

8000万円で買い、その後価格が動かなかったために、そのまま年を越しました。

29年の仮想通貨利益は、8000万 - 1000万 で、7000万円で確定しました。(手数料その他の経費がある場合は、経費として引けます)

その後、30年に急に価格が下がり、8000万で購入した仮想通貨の価格を見ている内に、3000万円にまで下落。5000万円の含み損が生じています。

30年初頭にこうなったとしても、29年分の利益は確定しているので、7000万円の利益で確定申告をする必要があります。

個人の所得税において確定申告をする場合、雑所得であれば総合課税となり、上記の表によって、所得に応じて税金がかかってきます。さらに、国税である所得税に加え、10%の地方税がかかります。

仮に、29年の所得が仮想通貨だけだった場合、各種の控除を引いて6900万の所得で計算すると、26,254,000円の所得税となります。さらに、10%の地方税が約690万円となると、29年分の仮想通貨に係る税金は3,300万円ほど。

この納税が生じる一方、儲かったはずの仮想通貨で買った仮想通貨は現在3000万円。

3,000万円 - 3,300万円 = -300万円 納税が300万円足りないことになります。

仮想通貨利益が出ていたはずが、納税するお金はないというのは、こうしたケースから生じてきます。

また、コインチェック問題にあるように、取引所で資産凍結されている場合、そもそも原資が引き出せないので、こういったケースも税金が支払えないケースとなりそうです。

保有資産の問題もありますが、税金と納税の観点からも、凍結されているのは相当大きな問題となりそうですけど・・・。

単純に、お金を使ってしまっているケースも気をつけたい

仮想通貨で仮想通貨を買い、儲かっていたはずが損をしていて、納税が厳しくなるというケースをみてきました。

これ以外にも、仮想通貨を売って現金を得たが、単純に使ってしまっているというケースも気をつけたいところです。

売って現金にして一安心。

しかしながら、その現金を持っていないと納税が出来なくなります。

倍々ゲーム利益で得たお金は、瞬間的に使って、今は手元に残っていないというケースも考えられます。そうした記事も、最近はいくつか目にするようになってきました。

実際、それでモノを買ったり、旅行に行ったりなどし、利益は受けていますがお金が手元にないケースは含み損が生じた仮想通貨のケースより税金のインパクトは大きいかもしれません。

いずれにしても、確定申告は近いので、ある程度対処できるようにしておきたいところ。

国税サイドも情報をつかんでいるらしいので、無申告の方がリスクは大きいです。

編集後記

来週から始まる確定申告会場の納税相談に向けて、基本的な知識をインプット中です。

e-tax申告に加えて、手書き申告書のサポートもあるので、一応網羅的に確認が必要なので。

手書きはだいぶ減りましたが、手書きで出来るとソフトで作った申告書のチェックに余裕が出るので、結構意味はありますね。


クラウド会計ソフト対応の税理士 野田翔一です

さいたま市大宮にてクラウド会計ソフトを専門をはじめとしてサービス提供をしている税理士です。クラウド会計ソフトを使った経理の効率化、請求書や給与ソフトとの連携で経理を楽にする提案・キャッシュレス対応へのアドバイスなどを得意としています。税務顧問・スポット相談いずれも対応しています。 税理士野田翔一税務コンテンツHPはこちら 代表プロフィール税務顧問 スポット税務相談 クラウド会計導入コンサルティング
スポンサーリンク
スポサーリンク
スポサーリンク

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする

スポンサーリンク
スポサーリンク