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税務調査対応よりも大事な当初申告対応。税務調査を気にするくらいなら、本決めである当初申告対応にしっかり向き合うこと。

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税理士に多く求められる事のひとつに、いかに税務調査に対処するか・税務調査に強いかといった、いわゆる税務調査対応があげられます。

会社を経営されている方であれば、程度の差はあれど税務調査はどちらかといえば避けたいでしょうし、よく税務調査について話を求められるのも分からないでもないことです。

しかし、よくよく考えてみれば税務調査で調べる内容は、過去の申告内容についてであって、すでに一度は決算して数字を確定させているものです。

そうだとすれば、当初申告で、当初の決算でいかに本気で対応するかというのが大事になってくるのではないかと。

先日、車で移動中にかけていた稲盛和夫さんのCDブックでの講演音源を聞きながら、そんなことを思ったわけです。

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過去の申告内容を調査する税務調査

通常の税務調査では事前に税務署からの日程の打ち合わせを経て決められた日時で、過去3年分ほどの申告内容について、会社の日々の処理・税金の計算根拠や計算方法をみていくことになります。

このように、税務調査ではすでに過去の段階で確定申告を済ませて、一度は決算を組んで本決めをしている内容について調べることになるわけです。

過去の確定申告は、内容の確認・精査・確定という過程を経て固められた数字であり、その数字をもとに税務署への申告をして、税金も計算して納税を済ませたことでしょう。

ただ、これらの当初申告は提出された時点ですぐに税務署がチェックするわけでもなく、とりあえず申告期限までに提出を済ませて納税も終えれば、「終わり」感が出るものです。

日々の取引内容からくる日々の経理処理・決算と税務申告まで、そして経理担当者や税理士とのやりとり、これら一連の過程を済ませるのは結構なパワーが必要であり、申告を終えるまでに相当疲労することでしょう。

しかし、結構な疲労を伴いながら申告を済ませるものの、案外税務調査がしばらく来ないということもあり、それでも決算・申告は毎年あるもので、どこかの過程でちょっと隙が出て、ちょっと手を抜いて決算に挑んでしまうこともあるかもしれません。

そして、いつかのタイミングで不意に税務調査ということになり、急にあたふたとしてしまうのです。

当たり前なのかもしれませんが、「いかに税務調査に挑むか」より、「いかに当初申告でしっかりやるか」が大事です。

先日、車で聞いた稲盛和夫さんの講演内容を聞いて、あれこれ考えながら、「大事なのはこの考え方だ!」と思ったのです。

土俵の真ん中で相撲を取れ。

先日も紹介した、稲盛和夫さんのCDブック4で、興味深い内容がありました。

よく、会社を経営されている方が過去のエピソードで、手形がなんとか落ちた、資金繰りがギリギリのところで間に合ったという話をされることがあり、それをもって経営がうまくいったということが語られることについて、稲盛さんは資金繰りや金策はうまくいってもともとであるというお話をされていました。

そのことを表す表現として、稲盛さんの京セラフィロソフィで、「土俵の真ん中で相撲を取れ」と言われているそうです。

資金繰りや金策に困って、いよいよダメだという段階になって走り回る。この様が相撲でいよいよダメだとなって、うっちゃりをやるというのに例えて、相撲も経営も常に土俵の真ん中でやることが大事だというお話でした。

ギリギリになって慌てて動くのではなく、そうならないうちから常に本気・全力で挑む。

この講演音源を聞きながら、税金や税務調査についても同じことなんじゃないかと思ったのです。

一度は本決めをしたはずの申告内容について、あとから税務調査だということで慌てる。

そうならないために、日々の取引・処理を疎かにせず、決算・申告に際しても手を抜かずにやるようにする。経理担当者や税理士とのやりとりも、本決めでしっかり決める。

こうやって、当初申告対応でしっかりやっておくことが大事です。

やれるだけやって、それでも抜けがあって、税務調査で指摘されるのであればそれは仕方ないことです。ただ、当初申告で抜けがなければ、それも最小限で済むのかもしれません。

税務調査で取り繕うくらいなら当初申告対応がラク

当初申告のときに、いろいろといい加減にやって、とりあえずとにかく申告を終わらせようとしてやってしまうと、適当に確認・対処・了承した部分については後から不安になることも多いです。

いざ、税務調査となったときには、「いかに取り繕うか?」ということと、その不安で頭は一杯になるかもしれません。そのストレスと、税務調査で取り繕うときに使うパワーは、当初申告で慎重にやるところをしっかり慎重に対処することに比べると、多大な労力となることでしょう。

ただ、人は結構、「まぁ大丈夫だろう」「後からどうにかなるだろう」と、とりあえずやり過ごすことも多いものです。

税務調査に対処するよりも、当初申告で対処する。特に税務的に黒(ダメ)な項目を適当にやり過ごすのは、意味のないことです。また、白(OK)の論点を黒として処理して経費にしないのも問題です。見解が分かれるグレー(どっちつかず)についても、当初申告でいかに打ち込むかで、税務調査時に立証もしやすくなりますしね。

税理士についても、税務調査対応でいかにやるかも腕の見せ所という部分があることは確かですが、当初申告でいかにやるかというところも大事なポイントだと思っています。

当初申告でいかにやるか。これは当たり前のことなのかもしれませんが、今一度、あえて「当たり前」について考えてみました。

先般のCDブック4はこれです。1から4まであるなかの、4です。

編集後記

今日は午後から東京税理士会館にて法人税の研修でした。

細かい論点が続き、結構ハードな研修だったかなと・・・。要復習ですね。

都内に向かう前に、月末に名古屋で受けるセミナーのためにネット予約していた新幹線の切符を大宮駅で受け取ろうとするも、JR西日本のシステムでJR東海の切符を買ったため、都内近郊では受け取れないとのことで、クレジット決済していたのをキャンセル・・・。

その後すぐに券売機で買ったところ、キャンセルした席が買えました。ラッキーでした!

今月末は帰省ラッシュで指定券がほぼ売り切れていたので、とれてホッとしました~。

何でも早め早めが大事ですね。


クラウド会計ソフト対応の税理士 野田翔一です

さいたま市大宮にてクラウド会計ソフトを専門をはじめとしてサービス提供をしている税理士です。クラウド会計ソフトを使った経理の効率化、請求書や給与ソフトとの連携で経理を楽にする提案・キャッシュレス対応へのアドバイスなどを得意としています。税務顧問・スポット相談いずれも対応しています。 税理士野田翔一税務コンテンツHPはこちら 代表プロフィール税務顧問 スポット税務相談 クラウド会計導入コンサルティング
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