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入り口と出口があるのが節税。それはなぜ節税になるのか?理由が分からないでいると節税策が台無しになる可能性もあり得る。

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節税を提案するときは、それがなぜ節税になるのか、理解してもらってからトライしてもらうようにしています。

節税は文字通り、税金を減らすもの。

特に、インパクトのある節税の場合、意味が分かっていないと節税効果が台無しになってしまうこともあるからです。

なぜそれは節税になるのか?

「うまい話はない」

これは商売や投資をするときに、よく聞く話です。

これは税金についても言えることで、「うまい節税」もそうそうあるものではありません。

経費にもなってお金を手元に残せて、ノーリスクであるという節税は、ほぼほぼないでしょう。

特に、インパクトのある節税の場合、それがどうして節税となっているのか理解したうえでやらないと、後々に節税効果が台無しとなってしまうこともあり得ます。

インパクトのある節税としてあるのが、保険を使った節税策。これを例に見ていきましょう。

払った時に経費になるものは、返って利益になる

節税というキーワードで検索すると、やはり出てくるのは、生命保険に加入して節税をするというものが多いです。

たとえば、こういう商品を保険の営業さんから提案されたとしましょう。

・社長を被保険者

・社長に重大な障害が生じた際に保険がおりる

・支払保険料は年間100万で、全額損金

・5年後に解約すると、ほぼ支払った保険料の100%近い金額が返戻金として戻ってくる

要は、保険料を年間100万円払ったとしても、あとあと返戻の率が良い時に解約すれば、そのまま返ってくる。そして、年間100万円は全額経費になるというのが売りというわけです。

この提案では、年間100万円の経費を計上することができて、さらに支払ったお金は後で戻ってくるというところがチャームポイントです。

ただ、後で戻って来たときに、それが利益になるという点も、きちんと理解しておかなければなりません。

5年で500万円の保険料を支払って、5年後に途中解約して95%戻るとすれば、475万円戻ります。これが、解約して一時に入金されると、利益になります。

・1年目 100万円 経費

・2年目 100万円 経費

・3年目 100万円 経費

・4年目 100万円 経費

・5年目 100万円 経費

・5年目 475万円 解約して返戻で利益

なぜこの話をするかと言うと、払った保険料は経費でOKとは理解していても、戻ってくる返戻金は非課税だと勘違いされているケースが意外と多いからです。

おそらく、保険の営業さんから、非課税っぽく聞こえる説明を聞いたのだと思います。

実はここが重要で、経費とするところが入り口だとすれば、お金が戻ってくる出口をきちんと固めておかないと、この節税は意味がなくなります。

だからこそ、なぜ節税になるかを理解しておいてほしいわけです。

戻る返戻金も、出口を固めれば利益とはならない

この保険を使った節税策の場合、5年目に戻ってくる475万円は、何もしなければそのまま利益に上積みされてしまいます。

特に、この節税スキームを自身で理解していない場合、営業さんから今期のうちに解約しないと率が悪くなるという提案をもらい、急いで解約をして決算日を迎えてしまうということがあり得ます。

これをやると、毎年100万円ずつ500万円経費になって節税効果があったかもしれませんが、当期475万円が返ってきて全額利益となる。過去の節税が帳消しになってしまいます。

そうならないようにするためには、事前に5年目の返戻金は利益になることを見越して対策を練っておく必要があります。

対策としては、

・先代社長の退職金の原資に充てる

・大きな設備投資の原資に充てる

・赤字の期に解約する

というものがあります。

たとえば、475万円が戻る年に、先代社長がリタイヤということで退職金500万円を支払って経費になれば、出口対策はとれたことになります。

設備投資についても、減価償却で経費になるので投資額全額を経費にすることは出来ませんが、期首月に導入して特別償却を合わせれば、そこそこの出口対策がとれます。

また、解約のタイミングが当期と翌期いずれでも良い場合、当期が赤字なら、赤字の年に解約すると、それも出口対策とはなり得ます。

保険の申し込みの際には、社長の退職金や設備投資、あるいは「もしも」に備えるなどの出口があることを条件に、返戻部分が課税されないという説明を受けるわけですが、そもそも目的とする出口がなければ成立はせず、戻ったお金がただ利益となってしまいます。

ただし、この内容を知っていて、節税スキームの意味が理解できていれば、契約時点で目的がなくても、解約時点までに目的を作ることができます。

475万円の戻り利益に対応させる、なんらかの経費を。

節税について、その全体像を理解してもらったうえで提案するのは、こうした背景があるからです。何か一つでも条件が異なれば、節税の意味がなくなり台無しとなってしまうこともあります。

「何のための節税だったのか・・・」とならないようにしましょう。

編集後記

けさは、5時半起床。

今日は終日、研修会に参加です。

知識、ブラッシュアップしてきます。


クラウド会計ソフト対応の税理士 野田翔一です

さいたま市大宮にてクラウド会計ソフトを専門をはじめとしてサービス提供をしている税理士です。クラウド会計ソフトを使った経理の効率化、請求書や給与ソフトとの連携で経理を楽にする提案・キャッシュレス対応へのアドバイスなどを得意としています。税務顧問・スポット相談いずれも対応しています。 税理士野田翔一税務コンテンツHPはこちら 代表プロフィール税務顧問 スポット税務相談 クラウド会計導入コンサルティング
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