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払えば経費となるわけではない経理。起業して間もないときに知っておきたい、支払を経費にすることの基本的なルール。

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起業して間もない段階は、多くの支払いが必要となり、経理処理も複雑なものがあり、ややこしいものです。

そうした支払いですが、払えば何でも経費になるというわけではなく、一定のルールがあります。

(29年11月30日時点での、内容となります。今後変更がある場合には、ご注意願います)

支払いを経費にするにはルールがある

支払ったものを経費にするには、経理上の一定ルールがあります。

支払ったからといって、すべてがそのときの経費になるというわけではないわけです。

起業して間もない時期は、多くの支払いが生ずるものですし、その頃だからこそ生ずる、経理がややこしくなる支払いもあります。

ルールがあるとはいっても、すべてを把握する必要はなく、まずは最低限のルールを知っておきましょう。

まず知っておきたいものとしてあるのが、

・大きな支払いは数年で経費化する(償却という)

・支払っても経費にならないものがある

・支払いが経費となるのは、仕事に関係があるもの

実際のルールはたくさんあるわけですが、まずはこれらをベースにした決まりを知っておきましょう。

大きな支払いは数年で経費化する

大きな支払いは、支払った時期に一度に経費とすることが出来ません。

起業時にかかる経費として、設備投資があります。

お店・事務所を借りて、そこに内装工事を施して利用しようとするのであれば、まず内装工事にかかる支払いが生じます。

内装工事であれば、ある程度の金額がかかります。108万円かかったとした場合、それはその年度の一度の経費とは出来ず、その種類に応じて数年で減価償却費として経費化することになります。

これは棚や電化製品などの備品、車についても同様です。種類に応じて、数年で経費化します。建物を建てれば、それも同じく減価償却します。

大きな支払いが生じたら、償却となるということは、知っておきたいところ。

ここで気になるのは、大きな支払いは、何円から大きいと考えれば良いか?

これには具体的な指標があります。

個人にせよ、会社を設立して法人でやるにせよ、起業して税務署に開業届を出す際に、同時に青色申告の申請書を出し承認されると、青色申告で確定申告をすることが出来ます。青色申告でやる場合、有利な特典が付きます。

そのひとつが、30万円未満の備品などを買った場合の支払いは、その年度の経費で良いというもの。30万円未満の判定は、消費税の経理が税抜・税込どれをとっているかによって判断します。

税込で経理をしているのであれば、250,000円(税込み270,000円)の棚を一つ買ったとした場合、270,000円で判断し、30万円未満なので、その年度に一度に経費にできます。

青色申告をとっているのであれば、30万円未満かどうかが、大きいかどうかの指標となってきます。

起業時のスタートアップで考えるなら、その他にも物件契約時に支払う礼金も、20万円以下なら一度に経費できますが、それを超える場合は原則5年で経費にします。

これら、数年で償却となるものは、年度の途中であれば、期末月までの月割計算をすることになります。

大きな支払いが生じたときは、一度の経費と決め込むのではなく、償却となることを意識しておきましょう。

支払っても、経費にならないものがある

支払ってお金が出ていったものでも、経費にならないものがあります。

たとえば、物件を借りたときに生ずる、敷金・預け保証金。

これらは、契約時に支払いますが、基本的には退去時に返ってくるものです。そのため、支払っても経費にはならず、資産として計上しておかなければなりません。

契約解除・退去時に、物件の現状回復費を求められ、敷金や保証金から際し引かれたときには、その際し引かれた部分は修繕費として経費に出来ます。

仮に、原状回復費が求められず、全額が返ってきた場合には、お金が入っても収入とはなりません。基本的は、払っても経費ではなく、戻っても収入ではないということです。

ただし、保証金については、契約上保証金償却がある場合があります。その場合には、決められた金額を毎年、保証金償却として経費化します。

この場合には、原状回復が求められないケースでは、支払った総額から、保証金償却金額を際し引いた残額が戻る計算です。

違うケースで気をつけたいのが、借入金の返済です。

借入れが場合、毎月、借入元本の返済と、利息を支払っていきます。借入返済で経費となるのは、利息の部分だけです。元本の返済は経費ではありません。

払ったからといって、何でも経費になるものではないといことは、気をつけたいところです。

支払いが経費となるのは、仕事に関係があるもの

金額が大きいもの、そもそも経費とならないもの以外で気を付けたいのが、経費とは仕事に関係があるものでなければ、支払っても経費としてはいけないというルールです。

世の中やネットの中では、「すべて領収書は経費でいける」といったことが書いてある本やページがあるわけですが、基本的に仕事に関係があるものが、経費となります。

そのなかでも良く言われていることが、

・外食の領収書はすべて経費になる

・ゴルフのプレー代はすべて経費になる

という、誤りです。

これらは、実際に利用し、支払って領収書をもらえば、それで全て経費でオーケーと思われている部分がありますが、そうではありません。

あくまで、仕事に関係があるか。外食の領収書でも、家族と利用した個人的なものは含められません。領収書を自社名で発行してもらおうが、プライベートでは経費とは出来ません。

また、ゴルフについても、友人と行ったものまで経費にしようとしているケースがありますが、こちらも仕事で行くから経費となるもので、遊びなら経費とはなりません。

実際、これらの支払いは、数が多いと税務調査時に細かく調べられます。仕事か?誰と行ったか?目的は?といった具合です。

その他、プライベート利用であれば、大きな支払いとなる車の購入も問題となる場合もあります。仕事名義だから経費というわけではないと、気を付けておきましょう。

起業したときの、スタートアップ時に気をつけたい、支払いと経理処理について、まとめて書いてみました。今回紹介したもの以外でも、ルールはあり、条件が異なれば処理も違ってくるケースも多いです。自身の条件と照らし合わせて、確認して経理は行っていきましょう。

編集後記

先日の駅伝で突っ込んで走ったから、昨日は足が重く・・・。

ケアをしつつ、日曜の湘南国際マラソンまでは大人しくしていようかなと。


クラウド会計ソフト対応の税理士 野田翔一です

さいたま市大宮にてクラウド会計ソフトを専門をはじめとしてサービス提供をしている税理士です。クラウド会計ソフトを使った経理の効率化、請求書や給与ソフトとの連携で経理を楽にする提案・キャッシュレス対応へのアドバイスなどを得意としています。税務顧問・スポット相談いずれも対応しています。 税理士野田翔一税務コンテンツHPはこちら 代表プロフィール税務顧問 スポット税務相談 クラウド会計導入コンサルティング
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