税理士という仕事では、教える機会が多くあります。
自分が知っていることを、それをまだ知らないけれど知りたいと思っている相手に対して教え、知ってもらったり、出来るようになってもらったり。
出来ないことをするのはしんどく、一方で出来るようになれば嬉しいものです。
そうした教える機会が多い仕事をしている特性上、出来ない辛さ、出来るうれしさを知っておくことが大事だと思っています。
そのためにも、普段から出来ない痛みのトレーニングをするようにしています。
自分が出来ることだけをやっていては、痛みは知れない
教える仕事をするときは、相手が知りたいと思うことを探って、本当に知りたいことを知ってもらうことが大事だと考えています。
当たり前といえば当たり前ですが、自分が知っている・出来ることを知りたい・出来るようになりたいと思う相手に対して話をするとき、自分を中心に出来ることが当たり前に進めてしまうというミステイクをしがちです。
そうならないためにすべきことは、まずは何を知りたいか、相手がどういう状況であるか聞き、それに合わせた形で進めることです。
こちらのペースで進めるから、分からなくなってしまうわけですね。
自分が出来る仕事だけをしている分には、多少の振れ幅はあるにせよ、基本的には出来ることだけをしていることになります。それでは出来ない気持ちは理解しがたいでしょう。
そうならないためには、普段から自分も出来ないことの経験を多くしていることが、出来ない痛みを知る良い機会になります。要は、様々なトライやチャレンジをすることが大事ということです。それは仕事内でも良し、仕事外でも良し。
やっておくことで、教える仕事をするときに役立つものです。
私が昨年より初めているレンタル畑での農業体験も、出来る・出来ないの繰り返しです。
思うようにいかない畑では、出来ないことだらけ
昨年の夏より、近所のレンタル畑を借りて、農業体験をしています。
太陽の下の野外で、汗をかきつつ作業をする。普段の仕事とは違い、苦労しつつも作業を終えると気持ちの良いものです。
借りているのは一区画で、さほど広くはありませんが、常時4~5ほどの野菜を育てています。
畑では、自分で土を耕し、古い根っこやゴミなどを取り除いて肥料をやり、土を作ります。
そして、畝(土を盛り上げて作る)を作り、種をまいたり苗を植え、水をやります。
その後は野菜ごとに違った工夫が必要です。
虫や鳥よけのガードをしたり、棒で固定したり・・・。
多くの行程があり、苦労があります。その一つ一つも慣れないもので、うまく出来なかったり、間違ってやってしまったりで、その都度出来ない痛みを感じます。
また、同じようにやっているつもりではあっても、昨年はうまくいった野菜が今年は全然だめということもあります。いろいろな要因に左右され、こちらも出来ない痛みがあります。
まだ始めたばかりで、基本的に出来ないことがほとんどです。やっても忘れてしまったり。
ただ、確実に出来ないことを経験するトレーニングにはなっています。
出来ない気持ちが分かれば、出来ない気持ちで考えられる
出来ない経験をすることで、出来ない痛みを知るということについて書いてきました。
特に、私もそうですが、教えることが多い仕事をする人でであれば、出来ないことがどういうことなのか知っておくことが大事だと思います。
誰しも、出来ないことを出来るようになった経験はしてきているはずではありますが、そのうちに忘れてしまいます。
いつも出来ない気持ちを知っているためには、普段から出来ない経験をしていることが必要になってきます。
「分からないということを分かる」とでも言いましょうか、そういう立ち位置で教える仕事はしていきたいものです。
私の場合、畑で思うようにいかないのが、しばらく活きてきそうです。
編集後記
けさは、5時すぎに起床。
目覚ましをとめた記憶がないのに、寝ぼけて止めていた様子・・・。
昨日は午後より税務研修会に参加。実は今日も一日参加です。
まとめて知識をブラッシュアップしてきます。