年が明け、個人の確定申告は還付の場合、すでに行うことが可能です。
還付されるケースはいくつかありますが、多いものとして年内で勤めを退職して、年内中は再就職しなかった場合の、退職した会社での給料についての税金を還付してもらうパターンです。
この場合、給与以外に所得がないのなら、確定申告で税金は戻ります。
中途退職の場合の給与の税金は、引かれたまま
会社に勤めていた方が年内で退職し、その後年内中は再就職をしなかった場合、会社から退職後にもらう源泉徴収票が年末調整をしていないのであれば、確定申告をすることで、税金がいくらか戻ります。
通常、勤めていて給料をもらっている場合、会社が毎月の給与から税金を天引きしてくれていて、その天引きの合計と、一年間の給与総額で計算した税額を比べて、天引きの方が多いとき、差額分が年末調整の際に、還付されます。
しかし、年末調整をするのは年末まで在職していた場合であり、年の途中で退職した場合は年末調整をしていないため、天引きされた税金は天引きされたままとなっています。
もし、退職後、年内中に再就職をした場合は、退職した会社からもらう源泉徴収票を新しい会社に渡すことで、新しい会社が退職分まで含めて年末調整をしてくれるので問題ありません。
そうではなく、年内に再就職をしていない場合は、自ら確定申告をすることで、天引きされた税金のうち、いくらかを戻すことができます。
月額30万、社会保険5万円の場合のシュミレーション
平成29年(2017年)の8月に退職したケースで、確定申告でどれくらい税金が戻るのかシュミレーションしてみましょう。
基本情報は以下のとおり。
・対象者は独身で実家住まい(両親は働いていると仮定)
・給与は月額30万円(8か月で240万円)
・毎月の社会保険は5万円(8か月で40万円)
・毎月の所得税は6,530円(8か月で52,240円)
ここから、退職後に支払ったものが以下のもの
・国民年金36,000円
このデータで確定申告をすると・・・
17,322円の所得税還付を受けることができます。決して小さい金額ではありません。
今回、生命保険料の支払いは織り込みませんでしたが、生命保険を支払っているのであれば、最大12万円所得控除があるので、さらに戻る税金は大きくなります。
確定申告は、国税庁の確定申告書作成コーナーを利用して、手順を追ってやっていけば概ね問題なくできるので、やってみましょう。(e-taxがよく分からない場合は、書面を印刷して提出することもできます。提出先は、居住している地域の税務署が基本です)
自分で申告しなければ税金は戻せない
簡単な基礎データで確定申告をした場合のシュミレーションをしてみました。
実際は給与額、税額、社会保険料や家族構成によって、還付となる税額はそれぞれです。
いずれの場合も、自ら確定申告をすることで戻せる税金であることに留意しておきたいところです。
本来、退職して再就職していない場合は、税金が戻るかどうかは関係なく、申告する義務はあります。ただ、通常は申告することで還付となるケースが多いので、税務署から申告を促す案内は来ないです。気を付けておきましょう。
また、複数個所で働いていて、源泉徴収票がいくつかあるというケースも、確定申告をするようにしましょう。そもそも申告する義務はありますが、やれば戻る可能性があります。
29年(2017年)の給与については、還付であれば2月15日以前でも申告受付開始しています。ぜひ!
編集後記
昨日は、今週・来週で行われる、小学校の租税教育講座の準備の詰めなど。
昨年は細かく作って伝わらない部分があった反省を活かし、シンプルにやってみようかなと。
いずれにしても、楽しんでやります・・・!