会社勤めという従来からある働き方だけにとらわれない、フリーランスや副業をはじめとした新しい働き方が推進されています。
フリーランスや副業と聞くと、ある程度自分の自由の効く範囲で、仕事を選びながら働けるというイメージが強いですが、それだけではなかったりします。
ある一社からのみの受注で、その仕事をしているという場合も少なりありません。よく言われている、いわゆる一社依存です。
専業フリーランス、あるいは副業フリーランスで、一社依存で仕事をするというのはどういうことか?
一社依存で仕事を受けることには、メリットもあればデメリットもあります。
フリーランス・副業と一社依存
一社依存とは、個人事業や会社形態で独立して事業はしているものの、仕事の受注先が一社(取引先は多数あるが、大きな売上が一社という場合も含む)で仕事をしていることを言います。
それを、よく一社依存と言ったりするわけです。
小さな会社から中小企業でも、ほぼ一社だけとの取引で売上が構成されている場合も多いです。
もちろん、フリーランスや副業での仕事でも、それは例外ではありません。
一社依存の場合、仕事はその一社のみから来て、売上先もその一社のみからとなります。仕事のやりとりも、その一社だけとします。
そうした仕事のやり方には、メリットもあればデメリットもあります。
これまでいくつかの仕事を見てきて、一社依存のメリットとデメリット思えることについて書いてみたいと思います。
一社依存のメリット
一社との取引の場合、それ特有のメリットがあります。
多くの場合は、その一社のみからの注文で自らの事業が成り立ちます。それなりの受注があり、それなりの金額になることが多いからです。これはメリットといえます。
また、毎回同じような仕事が振られることが多い場合には、仕事の平準化が図れます。
毎回同じ材料や商材を使って仕事を提供したり、サービスを提供したり。仕様書や報告関係の書類や契約的なことも同じような形式で来るので、そのあたりも慣れで仕事がやりやすいというメリットがあります。
その一社がそれなりに大手であれば、それに応じて受注額も大きかったりします。これもメリットといえます。
毎回、新規の顧客を見つけたり、常に営業をし続けるのが苦手なら、毎月なり、一定期間ごとに仕事を振ってもらえるので、一社依存というのは悪くなかったりします。
その反面、こうしたメリットとともに、デメリットと思えることもあります。
一社依存のデメリット
一方で、デメリット。
一社のみから仕事を受けるので、それなりにしがらみや面倒なことがある場合があります。
それぞれ、いくつか見ていきましょう。
・その仕事が突如なくなる可能性がある
一社依存で仕事を受けている場合、それなりのペースでそれなりの仕事を振られているうちは良いのですが、その仕事が突如なくなる可能性は考えておいたほうが良いでしょう。
注文先の会社での、その業務部門が赤字となっていて市場から撤退することがあります。
また、国内生産をやめて全部を海外へ移転する可能性もあります。
あるいは、全部でなくても、発注先の会社の売上が落ちれば受注が減るので、影響を受けることも考慮したいところです。
・いきなり切られる可能性がある
あるときまでは仕事を振られていても、急に仕事が途切れる場合があります。
何らかの事情で、発注先と関係が悪くなったりすれば、そうなることがあり得ます。
また、別の業者にとって替わられることもありますし、担当者が変わってこちらに注文が来なくなるということもあります。
あくまで、元請と下請けという関係は雇用関係とはまったく別の話なので、仕事を振る振らないは、仕事を依頼する側に決定権があることは、忘れない方が良いかなと思います。
・何かと機嫌を伺わないといけない場合がある
自身がフリーランスや副業フリーランスであったり、小規模のビジネスとやっている場合、相手先の担当者の機嫌を伺わないといけない場合というのもあり得ます。
それなりに接待をしたり、贈り物をしたりといったことです。
場合によっては、面倒な場合があります。
それが嫌な場合、当初からその雰囲気を出してくる担当者だった場合には、無理に仕事を受けないというのも手です。
・やはり、自由には仕事ができない
フリーランスや副業とというと、ネーミングからは自由で気楽なイメージがありますが、そうとは言い切れません。
一社依存ともなれば、やはり仕事を受け続けたいので、発注先の要求にこたえる必要はあります。
自分はある方法をとりたくても、違う方法でないと困ると言われれば従わざるを得ないこともあるはずです。
仕事の仕方に加え、日程や金額も発注先が決めてくるので、フリーランスと言えども自由に仕事ができるとは言いがたい状態になることもあるので、考えておく必要はありますね。
継続してそれなりの仕事が振られるというメリットがある反面、デメリットがあることも考慮しておきたいところです。
仕事をすることが目的か、何が目的か
一社(あるいは、その一社が大口の取引先である)との取引で仕事をする、いわゆる一社依存のメリット・デメリットについて書いてみました。
これまで見てきたこともあれば、そういうのがあるというのを聞いたこと、さまざまです。
良いようでいて、そうでもなかったり。自分がそれをどう思うかにもよりますが。
特に、個人事業主やフリーランス、副業の場合は個人が企業から一社依存で仕事を受ける場合、請負関係にはあっても実際にはほとんど雇用関係と同じような働き方となってしまっている場合も少なくありません。
ほとんどその仕事で手一杯であったり、ひとつひとつの仕事ベースで見たときには対価が全然合わないといったようなことがあります。
そこから仕事を受けるために、仕方なく仕事をやり続けるというループに入ってしまうことだって、あります。
本来は、それなりに自分の裁量で、自分のやり方でやりたかったのかもしれません。
ただ、そのためには、それなりにやるべきことも出てきます。営業スキルや、売る力といったものが必要です。
フリーランスや副業で仕事をしようとする方は多いでしょう。仕事を始める前に、一社依存のメリットとデメリットを知っておくことで、どう仕事を受けるか考える良いキッカケになればと思います。
編集後記(きのうの野田)
きのうは決算作業の打合せ対応、数字のチェックなど。
日中、合間に軽くトレーニングを少し。
そろそろ暖かくなってきたので、走らないと・・・。