新型コロナウィルスの影響により営業自粛、時短勤務や事業の一時的な縮小などにより、会社や個人で事業を行っている方へのインパクトが広がっています。
こうしたなか、来たる収束のタイミングまで耐えるために、さまざまな給付金や協力金の助成を受けつつ、同時にやっておきたいのが、お金の流出を少しでも減らすことだと思います。
手元に少しでもお金を残すヒントについて書いていきます。
お金は払えば減るもの。減額、止められるものはあるか。
言わずもがな、お金は有限です。
新型コロナウィルスの影響で営業ができないとなれば、助成を可能な限り受けつつ、払うお金を減らすことが肝心になってきます。
この状況下で、特に注目されているのは店舗を構えている場合の家賃です。家賃に関しては、「値下げ交渉をしてみましょう」と簡単に言えるものではなく、大家さんは渋るか、下げても少しだけというのが実際のところかと思います。
経費として大きなウェイトを占めるのは家賃だったりするわけですが、事業の経費はこれ以外にもあります。
減らせるもの、止められるものはないか、検討してみましょう。
そもそもの払いを止められないか、料金プランを下げられないか。
通常時に回っているときの事業の経費には、意外とむだなものがあることがあります。
特に、
・毎月定額で発生するようなもの
・付き合いや何となくで契約しているようなもの
これらは、口座から定期的に引き落としがかかることが多く、気づいたら引き落とされていたり、自動継続となっていることがあるものです。
本来は解約すれば良いのでしょうが、売上がそれなりに上がる通常操業時には、解約の手間を惜しんでそのまま放置しがちだったりします。
そういうものがないかどうか、見てみましょう。
そうしたもののうち、そもそも全然使っていないものがあれば、解約してしまうのが手です。もし、期間の縛りがある場合には、期間満了まで払うのと違約金を比べて、違約金の方が低ければ、それを支払ってでも解約するのが良いでしょう。
また、必要な支払いのなかにも、どうにか出来るものがあるかもしれません。当初、高い料金プランにしたものなどがあれば、中くらいのプランなどに出来ないか、検討してみましょう。
それなりに、料金が下がることもあり得ます。
こうして支払いを止めた分、下げた分は、手元に残ります。
今回、支払に困る状況ではありますが、こうした機会は不要な経費をそぎ落とすタイミングと見ている人も多いようです。
支払猶予も考える
止めたり、減らしたり出来る経費を削減しつつ、資金的に余裕がない場合には、猶予制度などを活用してみましょう。
現状、法人税・所得税や消費税などの諸税と、社会保険料については支払いの猶予が設けられています。申請や一定の手続きは必要ですが、活用することで、納付を先延ばしにすることが出来ます。
一時的にですが、納税を後に回せるので、お金を手元に残せます。
これについては、あくまで先延ばしであると意識しておきたいところです。
税金の場合、懸念されるのが猶予を最長まで伸ばすと、次のタイミングで納税が発生するときに、次が猶予されないと納付が連続してしまうという問題があります。
猶予は免除と違うというところ、気に留めておきましょう。
その他とまとめ
先日、社長ひとりで会社をやられている顧問先の社長とお話をしていたときの話です。
会社で事務所を借りているのですが、その気になれば自宅で仕事が出来ないこともないと言われていました。
「そうすれば、家賃の数十万が浮くかな・・・」と。
お店を店舗を構えてやる場合には難しいですが、フリーランスやひとり社長で会社をやられている場合には、この選択肢はあり得るかもしれません。
ただ、いまコロナウィルス対策で保育園や学校がお休みになっているので、在宅テレワーク同様に、自宅で仕事をやる難しさは出てくると思います。
可能であれば、賃貸事務所を自宅の一室オフィスへ移行というのも選択肢ですね。
あとは、会社で倒産防止共済(経営セーフティ共済)に入っていれば、掛け金を減額するか、すでにそれなりに掛けてあれば解約も選択肢かもしれません。掛けている期間が短いと元本割れしますので。
フリーランスや個人事業主・社長が入れる小規模企業共済も、掛け金を減額すれば個人の手元資金のキープに寄与します。ただ、掛け金自体と運用額が減るので、将来の退職金は減ってしまいますが。現状の懐具合と相談にはなるかと思います。
こうして、支払を止める・減らすという選択肢をとりつつ、やるようなら猶予もやる。これらをやりつつ、受けられる助成は活用する。これがひとまず出来ることかなと思います。