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経費になるのは得であるという幻想。経費になるというのは、どういうことか?

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ネットで税金関係の情報を見ていると、経費になるのは得だというキーワードが良く出てきます。とくに、SNS的なものに多く見られます。

経費が得とはどういうことなんでしょう?

経費の本当の意味合いと、経費がなぜ得なように見えるか、考えてみましょう。

経費とは、事業を行うために、かかる支払いである

経費とは何かと一言で言うなら、

「事業を行うために必要で、それにかかる支払い」

であると言えます。

法人を設立して行うにせよ、個人事業主で行うにせよ、事業とは基本的に売上を上げ、利益を得ることを目的とされます。慈善事業などを別として。

その売上を得るために、かかるもの。それが、経費の基本です。

逆に、売上を得るためにかかるものでないのなら、経費ではないと言えます。

この売上を得るためにかかるものは、今すぐの売上と、これから売上を得るための種まき的なものも含まれます。あくまで、正しい判断としてです。

経費については、このルールに従うことが、大きな過ちを犯さないためになります。

事業の利益と、税金の関係

経費にすると得であるということを説明する前に、事業の利益と税金の関係について、見ていきます。

基本的に、事業の利益は、

売上 - 経費 = 利益

として、計算されます。

売上に対して、経費がより大きければ、利益は小さくなる仕組みです。

そして、事業を行う上で、かかる税金というのは、法人であっても個人事業主であっても、基本的に利益の大小がベースになります。

儲けに対する税金は、利益が大きければ納税が大きくなります。

法人の場合、利益の30%が税金であると説明されることが多いです。これをベースにすると、

売上 1,000円 - 経費 300円 = 利益 700円

この場合、利益に対する法人税等の納税額は、

利益 700円 × 30% = 210円

となります。

税率が30%で固定あると仮定すると、利益が小さければ小さいほど、税額も小さくなるというわけです。

このメカニズムをベースして、「経費は得である」という強引な話の展開が生じてきます。

事業に関係のない支出を経費とするから、経費は得だと言われる

利益の大小が、税額の大小を決めるため、経費が大きければ大きいほど、納税は少なくなります。

本来、事業というのは売上に対して経費を出来る限り抑えられることで、大きく利益が得られます。そして、それを目的とすることがほとんどの事業の基本と言えます。

だからこそ、経費にするという得になるという概念が、そもそもおかしいはずです。売上を得るためにかかる経費が、かかると特になるはずは、ないでしょう。

この考え方からすると、

そもそも事業に関係のない「経費になるはずのない支出を経費とする」から、経費は得だと、私は思っています。

上記の税額の計算に、経費なるはずのない支出を織り込むと、

売上 1,000円 - 仕事にかかる経費 300円 - 家族との食費 100円

= 利益  600円

この場合、税金は 600円 × 30% = 180円

家族との食費を経費にして利益を計算すると、100円利益は減り、その分30円の税金が小さくなりました。

これを経理に織り込んで、利益を計算して確定申告をすると、見事なことに、経費が得というように見えるわけです。

本来プライベートや家事的なことにかかる支出を経費にすることは、売上を上げるためにかかるのが経費であるというルールに反します。

・プライベートなもの

・趣味のもの

・生活にかかるもの

など、売上とも、仕事とも関係のないことは、本来経費としてはいかんのです。

会社の社長をしていたり、個人事業主をしていたり、いわゆる自営業をしている方だけが、この手法を使えるわけですが、こうした理由で経費が得と考えるのは、やめた方が良いでしょう。

仕事自体が好きである場合の、仕事にかかる経費は例外的かもしれない

ここまで、経費は得であるという考え方は、少し違うのではないかということについて、語ってきました。

あくまで、売上を得るとか、仕事のためにかかるのが経費なのです。

これについては、ひとつ例外があるかもしれません。

仕事自体が好きであり、その大好きな仕事のためにかかる支出が経費になる場合は、ある仕事が趣味的になっていることで、結果的に経費が得に感じるというのは、もしかしたらあるかもしれません。

あくまで、これは結果論ですが・・・。

いかにも趣味的なものを無理やり事業として、赤字経営をして、給料の税金を圧縮するようなことは、無論認められることではありません。

経費が得だと思っているのであれば、ぜひ思い直してもらえると、税理士としては有難いと思います。

※ブログを久々に書くことについての手記

ブログをなんとなく再開しているのですが、これを継続していくのかどうか。

このブログを書き始めた当初は、平日の日に毎日書いており、その後少し数カ月休んで、しばらく完全毎日書いていたのですが、それをやめてからは、不定期でした。

いまの基本的なスタンスは、「自分が出来るベストを尽くそう」です。

ブログを含めて仕事というのは、プライベートや家族、健康などと組み合わされ、自分の人生のひとつです。

「何かのせいで、何かが難しい」ということで、あまり追いつめられたりすると、いろんなバランスが崩れます。

それは自分のバランスかもしれないですし、自分以外の何かのバランスかもしれません。

もしかすると、この考え方は、「ぬるい」かもしれません。

でも、これでいくことにしています。

書ければ書く。


クラウド会計ソフト対応の税理士 野田翔一です

さいたま市大宮にてクラウド会計ソフトを専門をはじめとしてサービス提供をしている税理士です。クラウド会計ソフトを使った経理の効率化、請求書や給与ソフトとの連携で経理を楽にする提案・キャッシュレス対応へのアドバイスなどを得意としています。税務顧問・スポット相談いずれも対応しています。 税理士野田翔一税務コンテンツHPはこちら 代表プロフィール税務顧問 スポット税務相談 クラウド会計導入コンサルティング
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