最近、これまでとは少し違った学びをするようにしています。
自分とは異なる、違う世界の考え方から、自分のことに関連付けて学びを得るという、抽象を具体に落とす学びです。まずは読書から始めています。
この学び、始めてみると思いのほか楽しく、より自分を高められる気がしています。
違う世界のことは、関係のないこと
多くの場合、自分の世界が中心であって、自分の世界以外のことは関係がないと思われることがほとんどです。
私の仕事が税理士であるならば、税理士業・経理・数字・お金といったような分野が直接関係のあることとなります。仕事をうまく進めようと思ったりするときは、そういった直接的な分野からの学びを得るというのが、王道なパターンではあります。
たとえばではありますが、私が仕事の進め方で悩んだとき、簡単に解決を図ろうと思えば、自分に近い同業税理士やコンサルタントなどが書いた仕事術から着想を得るのが最短の学びだということです。
仕事で悩んで、あえて「漁師の仕事術」(たとえば・・・です)という本から学びを得ようとは思わないでしょう。「新人OLの仕事の進め方」(たとえば・・・です)も同様です。
ただ、漁師の方は漁師の仕事術が響きますし、新人OLは新人OLが響きます。
それぞれはそれぞれに響くのであって、違う世界のことは関係のないことと思われていることが多いのも、そのためです。
ただ、それだけだと学びの幅が狭くなってしまいます。外からの学びが必要です。
ここで、抽象から具体に落とすゲームのような学びに、意味が出てきます。
抽象的なことを具体的にとらえる
以前、「ドラゴン桜」や「インベスターZ」などのマンガを書かれている、三田紀房さんのセミナー音源を聞く機会がありました。
三田さんは、独創的な発想で次々と新しい領域へと踏み出しています。
それを可能にしているのが、「抽象を具体に落とす」という方法ということでした。
たとえば、私が例で挙げた「漁師の仕事術」という本があったとします。マンガと漁は直接関係はないでしょう。しかし、自分に使えるエッセンスはあるということです。
漁師の本で、「時には待ち、来るべきときに備えることも大事だ」というセリフがあるとき、これを「魚の取り方学んでも意味ないし・・・」と思わずに、自分に関連付けます。
「あぁ、たまに仕事で行き詰ったとき、少し別のことを考えてコーヒーでも飲んでみるかな。その間にアイデアが浮かぶかも」と、漁師の待ちを、自分にも当てはめます。
三田さんは、外の世界の考え方で自分には直接当てはめられないものを、その骨型だけ参考にして、自分に当てはめるという方法で、マンガに着想を得ているそうです。
これまでは私も、関係のないところからの学びは避けていました。ただ、これを知ると外の世界の学びは自分に関連付けられることが多いことに気付きました。
これを、外の考え方でそのまま使おうとすれば抽象的過ぎて使えないものを、自分流にあてはめて具体化していくということで、「抽象を具体に落とすゲーム」として、最近は読書をしています。
抽象を具体に落とすゲーム
先日、ドラッカーの「非営利組織の経営」を読み終えました。
ある方からの勧めで、「非営利組織に携わっていなくても、参考になる部分がたくさんある」ということで、読んでみました。
実際、基本はやはり「非営利組織」についてです。非営利は、貢献そのものに価値や意義を見出したりします。営利なら、利得を上げることに意味がありますが、本来は貢献した対価としての利得です。そうしたことや、ビジネスの進め方、基本的なことについても、非営利に対して言われていることではありますが、そこに身を置かない私としても参考になる部分が大いにあったのです。
また、最近売れている「定年後」という本も、直接関係がないことですが、やはり読んでみると具体に落とせる部分があり、参考になりました。定年後を迎えた方がどういう考えでいるのかということが少しだけ分かり、自分の仕事で、ある工夫が出来る気がしたのです。
こうして、抽象→具体。として落とす学びをすると、外の世界から学びを得られます。
外の世界から学びが得られるとなると、視野は自然と広くなります。以前は関係ないと思って見ていなかったようなことにまで、興味が向くようになっています。
こうなると、学びの質が少し引き上がりますね。そんな気がしています。
手っ取り早くいけば、近いところからの学びが良いのでしょうが、それだけでは限界があるところもあります。抽象を具体に落とす学び、取り入れてみるといろいろなことが大きく変わってくるかもしれませんね。
編集後記
昨日は予定しているセミナー告知を作成など。
近いうちに告知します・・・!