「わからないことをわかる」、税理士が無料税務相談会などに参加するメリット。


先週、税務署へおもむき、継続記帳指導の説明会に参加してきました。

継続記帳指導とは、税理士会が税務署からの依頼を受けて、新規に事業を始めた方などの経理指導を行うというもの。そして、しっかり確定申告もしてもらい、適正な納税につなげていくというものです。税理士会が希望会員に対象者を振り、担当します。

この継続記帳指導の制度しかり、2月3月の確定申告期に行われる無料税務相談しかり、税理士が無料で、経理税金納税などの相談を受ける制度は多々あります。

今日はそういったものに参加するメリットを紹介したいと思います。

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継続記帳指導と無料税務相談

税理士が無料で相談などに応じてくれるものとして継続記帳指導・無料税務相談などがあります。

継続記帳指導は、新規事業開業者の方などで税務署に申し込みをされた方に、一年を通して全4回、経理指導と申告指導をするもの。担当になった税理士は、対象者の事業所などへ訪問して、その指導を行います。もちろん、担当税理士は、対象者からお金はもらいません。

無料税務相談は、2月や3月の個人の確定申告期に、税務署主催で全国で行われています。会場の一角に、税理士による相談コーナーがあって、申告の相談・場合によっては申告書の作成のお手伝いなどもしたりします。

継続記帳指導の方は、7月から翌年3月にかけて全4回、間隔を置いて行われ、進捗を見ながら進めていくので、税理士の方での負担はほとんどないかと思います。一回あたりも90分程度とされていますしね。

無料税務相談は、2月3月の個人の確定申告期に行われるので、その時期は各々が受けている仕事も忙しく、うまく調整しながら参加しなければいけません。そのため、この無料税務相談は、あまり良い顔をしないで対応している税理士も、なかにはいることと思います。忙しくて不機嫌に対応するという感じですかね。

いずれにしても、時間をとって対応するので、負担がないわけではありませんが、参加するメリットは、多分にあると思っています。私は毎年、ある程度は参加させてもらっています。

無料税務相談会などに参加するメリット

さきほど紹介した記帳指導制度にしても、税務相談にしても、自分の担当になった対象者と対面して直接話しながら内容を進めていきます。相談会のときは、一日に10人程度とやりとりをすることもあります。

ここでのポイントは、やりとりをする対象者の方々は、基本的に経理や税金のことはほとんど知らないということです。もちろん、税理士が関与していることもありません。

自分で調べて若干の知識はお持ちだとしても、基本的には知らない方が多いです。

そういった方々に対応して、経理の相談・税金の相談や申告書の作成指導をし、話をするなかで、担当する税理士としては得られるものがあります。

・知識の精度が上がる

確定申告期の無料税務相談では、その日初めて会った方の確定申告を、フィニッシュまでもっていかなければなりません。多少複雑である場合もあります。そのとき、その場で完結させる必要があるので、いちいち調べていたら時間がかかってしまいます。

そのために、事前にこういうの来たら少し知識があやしいという論点は、いくつか押さえておきます。普段は、パソコンで自動計算でやる複雑な税金計算を手書きで自分で計算する場合など、要注意です。また、新たに改正があった項目についても、しっかり押さえておく必要があります。

自分の事務所で顧客から依頼を受けた仕事は、ある程度柔軟に、今わからなければあとで連絡したりできますが、相談会では、その時に完結させる必要があるので、事前にしっかり押さえておくわけです。このために、若干プレッシャーをかけながら、いい具合に勉強を強いられることが、メリットの一つになると思ってます。

・税金会計の知識についての「わからない」を知ることが出来る

これはよく、このブログでも言っていることですが、仕事で相談を受けるときに、相手が何がわからくて、何が不安なのか、税理士は分かってあげることが必要です。そのためには、一般向けの税金本を読んだりすることも重要で、その点は、以前にも記事にあげました。

相手が、なにがわからないのか、わかるということは、非常に重要だと思っています。専門家として日々仕事をしていると、わかる状態が普通になってしまいます。そうすると、相談をしている最中に、自分のペースで話を進めてしまって、自分はなぜ相手に話が通じないのかイライラし、相手はすっかり置いてかれてしまうという状態になってしまいます。完全にミスマッチですね。

税務相談会では、基本的に、「わからない」という方がきます。もちろんそれを前提として話を進めなければなりませんし、話のやりとりをすることで、「わからないをわかる」トレーニングをすることが出来ます。話のやりとり、内容の確認、完結まで含めて、満足して帰ってもらうために、トレーニングを兼ねてしっかり対応することで、自分の対応レベルを高められるという点で、大きなメリットだと考えています。

経験を重ねるにつれて、だんだん慢心していく自分を律するためにも、初心に帰るという感覚でも、重要なポイントです。

コミュニケーション力の向上にも効果!

ここまで、知識力・わからないをわかるため、の2点のメリットをみてきました。

また、さきほど場合によっては相談会で一日に10人程度とやりとりすることもあると紹介しましたが、10人とあいさつして、内容の話をして、時折雑談を入れながら話を進めていくなかで、コミュニケーション力の向上にも一役買っていると感じています。

1人目でも、10人目でも、しっかり機嫌よく対応するのが当たり前で、相手にとっては、常に1人目ですしね。

いろんなメリットがあるかと思います。他にもいろいろあるかもしれません。そのいずれのメリットについても、さきほども紹介しましたが、不機嫌に対応していては、得ることはできません。慢心していい加減に、不機嫌に自分のペースで話を進めていれば、何も得られないでしょう。まぁ、こうまでいけば人間的にどうかという問題もあるかもしれませんが・・・。

所属税理士会によっては、希望者だけでなく、みんなに相談会の役割を振るところもあり、意図せずやることもあるかと思います。しかし、どうせやるなら前向きにやっていきたいところ。

得ることが多い(はず?私だけ?)、税務相談などの役割。やるんだったら積極的にやってしまいましょう!

編集後記

昨日は関東エリア、晴れていて気持ちの良い日でした。

夕方、8キロほど走ってきましたが、けっこう熱さでダメージがありました。

私の場合、しっかり頭痛対策をしないと夏場のランで熱中や疲れからくる頭痛があるので、毎回考え準備して走り出しています。近々記事にもしたいと思います!


クラウド会計ソフト対応の税理士 野田翔一です

さいたま市大宮にてクラウド会計ソフトを専門をはじめとしてサービス提供をしている税理士です。クラウド会計ソフトを使った経理の効率化、請求書や給与ソフトとの連携で経理を楽にする提案・キャッシュレス対応へのアドバイスなどを得意としています。税務顧問・スポット相談いずれも対応しています。 税理士野田翔一税務コンテンツHPはこちら 代表プロフィール税務顧問 スポット税務相談 クラウド会計導入コンサルティング
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