毎年夏に行われて、一区切りがつく税理士試験。
試験後、毎年10月に国税庁のホームページにて、税理士試験の各科目について、各科目ごとに「税理士試験出題のポイント」が公表されます。
そこで、それぞれの科目について、今回の問題はどういう意図があって出題し、どういう答えを求めているかといったことが明示されるわけです。
夏の試験後に、受験学校で作成される模範答案をもとに受験された方はだいたいの自分の合否ラインを予測するわけですが、10月公表のポイントが出されてある程度それが確実なものになるといえるかもしれません。
ここで明示される試験委員の考えと同じ答えを書いていれば、合格の可能性は高いわけです。
となれば、科目合格を勝ち取るためにはいかに試験を受けているその時に、試験委員の問うていることを理解するかということが大事になってくるということでしょう。
問題に取り組むことは、試験委員との対話
税理士試験は各科目、受験生全員が制限時間2時間で解く問題を、いかに解いて得点を獲得し、合格点を目指すことで行われます。
試験に至るまでにどうだったかということは一切関係なく、その2時間ですべてが決まってしまいます。
本試験での問題は、資格学校で慣れ親しんだ問題とは異なっていて、本試験ならではともいえますが、試験委員のクセのある問題を解かなければいけないわけです。これまで資格学校で解いてきた問題とは異なって、初めて解くタイプで初見性が高い問題であるため、これまで解いてきた問題でのノリが通用しないということも多いです。
しっかりと問題を読んで、どういうことを言っていて、どういう答えを求めているのか理解し、それを答案に反映させるのです。
それはある意味、試験委員との対話とも言えるかもしれません。
通常の会話のように、相手の言っていることをくみ取り、それを自分の頭のなかで咀嚼し、一通り考えたうえで返答するようにです。
マルをもらうためには、まず試験委員がなにを意図しているか、問題から理解する必要があるといえるでしょう。
これまで何度か試験を受けてきて、受かったり落ちたりしてきましたが、この問題の意図を理解するという基本は、実はとても大事なことのように思います。
試験委員の言うことが解るか?解らないか?
これまで自分が受けてきた科目で、結果がダメだった年は、いずれも試験委員がなにを求めているのかよく理解できなかったときだったような気がします。
思い出せる範囲でも、簿記論の2年目は何が出たかは思い出せないのですがB判定で落ちて、受けたときに何を書けばよいのかよく分からず、書いては消してを繰り返して、けっこう穴だらけの答案だったという記憶があります。
そして法人税も2年目。これは覚えていますが、土地の問題でした。これについても試験委員が何を答えてほしいのか理解できなくて、意図とは違った内容を書き、B判定だったと記憶しています。
これだけを見ても、試験委員の言うことが理解できないと、試験に向けて1年なり勉強してきたことが、答案用紙まで届かないという結果になってしまっています。その試験に自分の努力が響いていないような感じともいえるかもしれません。
となれば、いかにその場で理解するかということが大事になるのは明らかな気がします。
試験のその場で試験委員の言うことが解らないのは、2パターン考えられます。
・ただその場でいう事が理解できなかった、ひらめかなかった (しっかり勉強はしてきたが、その場で活きなかったパターン)
・学習が理解レベルに達していない場合 (テキスト読みや問題解きがまだまだ不足していたパターン)
これまでしっかりやってきていたのに、本番で苦戦するのは、その場でひらめかなかったということで、なかなか苦しい戦いになるものです。また、学習がまだ足りない場合は、もっとやっていれば理解に到達できていたのかもしれません。
どちらも本番では有りうることだし、これまでも何度もこのパターンで撃沈しています。
学習の不足は、レベルに達するまで学べばとりあえずその状況を脱することができるとして、問題はその場でひらめかないパターンですよね。
このパターンの場合、これまで資格学校の答練でやってきた問題解きの感覚で解かないということが大事なのかもしれません。資格学校の問題は、ある程度まで行くとパターン化されているところがあるので、問題を見たところですぐに答えがひらめくということも少なくないでしょう。
それに対して、本番の試験はパッパッとはいかないものです。問題を見て、内容を理解して、そのうえで試験委員の意図まで理解する。そして解答する。理解する・理解しようという気持ちを持って、さぐるようにして確実に答えを射止めるというイメージです。
科目合格した年は、いずれもそんな感覚があったように思います。
パッパッ・サッサッではなく、じりじり攻める感じですね。これが理解で解答に繋がるはずです。
慎重な本番で力が出るのは日々の努力
ここまで、税理士試験は試験委員との対話。相手の意図を理解して、的確な答えを述べようという話をしてきました。
出題意図を理解して答えれば合格に近づく・・・とは思いますが、それも試験まで必死に勉強してきたという背景・経緯があってはじめて達する領域といえます。
「あまり勉強しなくても合格できる、試験委員の言葉を理解する技術」みたいのがあったら偽物でしょうね。そんなのはあり得ないことです。
ただ、私のときもありましたが、しっかり基礎と応用を築いてきたうえで、問題の読解力を鍛えるというやり方はありましたね。講師がオススメの本なんかを教えてくれたりもしました。ただ、それもあくまでもしっかりやってきたうえで!ということになるものです。
科目合格に裏技はありません。しいていうならコツはあるということです。今日のいかに理解するかというポイントもコツのひとつでしょう。
そのためには、まずは次の試験に向けて、今日一日の学びを大切にすることが大事ということです・・・!
編集後記
今日の記事まで、ここのところ4連で税理士や税理士試験に関する記事になってますね・・・。
あまり意識はしていないのでたまたまですが、たまにはそういうのもアリかなと!
そして10日間チャレンジ。
今日は天気・陽気も良かったので、夕方に仕事の合間に6キロラン。けっこう汗かきました。久々にというか、今年ラストか?温かいランでした!