仮想通貨関係の記事を見ていると、「仮想通貨の交換取引は非課税?」といったものがありました。
29年分の個人確定申告が始まり、情報がいろいろと錯綜しているようです。
仮想通貨取引については、売却に加え、交換についても利益となれば課税扱いとなります。
交換がなぜ課税扱いとなるか考えるときは、隠れている現金収受が省略されていると見ると理解しやすいです。
仮想通貨の交換利益は課税
2月16日から29年分の個人確定申告が始まっています。
それに伴って、仮想通貨利益に対する確定申告についての情報が錯綜しているようです。
そのなかでも、特に目を引くのが「仮想通貨の交換は非課税?」という話。
これについては、既に国税庁からリリースされている内容から、仮想通貨の交換でも課税がされるという扱いが公表されています。
とはいえ、交換で必ずしも税金がかかるわけではなく、元々持っていた仮想通貨が値上がりし、価値が上がっている状態でその仮想通貨を使い、他の仮想通貨と交換したとき、値上がり分について課税されます。
逆に、元々持っていたものが値下がりしていて、その値下がりした仮想通貨で他の仮想通貨と交換した場合、損が生じるため課税は生じません。
具体的な内容は、国税庁からリリースされています。
交換で課税されるのはなぜか?
こう思う方が多い理由は、仮想通貨で仮想通貨を手にしているのであって、一度も手元に現金は来ていないからという理由が大きいのではないでしょうか。
しかしながら、「交換」という取引においては、現金が介在していないように見えながら、実は現金の受け渡しは省略されているだけであると考えると、課税される理由も分かってきます。
「交換」は、現金取引が省略された取引
仮想通貨は、その仮想通貨をもって、他の仮想通貨に替えることができます。それが、一般的に交換とされている取引です。
仮想通貨 → 仮想通貨
これだけを見ると、仮想通貨が他の仮想通貨に替わっただけであって、一度も現金は手元に来ていません。
しかしながら、交換は現金収受が省略されていると考えると、話は分かりやすいです。
交換取引は、本来間に現金収受をかませるべきところ、交換対象の両者の価値が明確であるならば、そのモノ同士の交換で済ませようというものです。
儲けに対する税金を考えるときは、一度売って現金を得て、そのお金で交換対象を買ったと見ます。取引として、お金の受け渡しを便宜的に省略したということです。
5月に1BTCを10万円で購入し、12月に150万円になった1BTCを使って、他の仮想通貨を150万円分に替えたとしましょう。
仮想通貨が仮想通貨に替わっただけに見えますが、現金収受が省略されています。
省略を明かしてみると、
10万円の1BTC → 150万円分の仮想通貨 という取引に見えるものも、実は
10万円の1BTC → 150万円の現金 → 150万円分の他の仮想通貨
という流れを経て、10万円の1BTCが、直接150万円分の仮想通貨に替わっているというように見えるということです。実は、間に150万円の現金収受が隠れている。(瞬間的に受け払いをしているというイメージ)
一度、10万円で買ったものを150万円で売って現金にすれば、それは140万円の利益であると分かります。その後、150万円で直ちに他の仮想通貨に替えたという流れです。
交換で課税されるのはなぜか?と考えたときは、交換に現金収受が省略されていると考えると、理解しやすいかもしれません。
非課税は限定されたもの
仮想通貨の取引は、売却・交換ともに課税となります。
交換で非課税とはならないことに注意したいところです。
そもそも、税金がかからない非課税扱いとなる所得は、限定されたものです。
仮想通貨利益の税金申告については、自分の解釈・ネット上での解釈を見て、自分が確定申告するべきかどうか判断しているという方が多いようですが、圧倒的多数の情報を参考にしても、国税がリリースしている情報とは異なっていれば、その解釈は通じないので注意が必要です。
いずれにしても、確定申告は始まりました。正しい情報をもとに、確実に終わらせましょう。
編集後記
先週、自分の確定申告を終わらせました。
29年分は会計freeeを使っての経理・申告書作成まで行ったのですが、確定申告時期に入った頃から、会計画面のトップに、「あと何日で税申告を終える必要があります」といったコメントが入っていました。
カウントされると何やら焦りますね。「3・2・1・・・」といくのでしょうか。
もし申告期限を過ぎたら、どう言われるのか。気になりますね・・・。何もなかったりして。