「税理士は税のスペシャリスト」
「税のことなら税理士へ!」というよく聞くキャッチフレーズ。
しかし、案外税理士という仕事は一般的には知られていなかったりする。
今回は、税理士がだいたいどういう仕事をしているのか?メインの仕事と仕事の軸について考えてみたい。
税理士という仕事
世間一般に、名称は広く知られる「税理士」。
しかし、どういう仕事で、何をしているのか、案外知らないという話もよく聞きます。
とはいえ、私も税理士試験を受け始めるまでは、正直なにをしているのか知りませんでした。
知らない方がある程度いる、理由としては、税理士と接する機会が生じないと、税理士が行う業務である申告書等の作成代行依頼という概念が出てこない、ということが挙げられます。
すなわち、いざ税で何か困る→それは税理士が解決してくれると聞く→じゃあ頼むか!と、自分が何かの当事者になって初めて税理士の仕事領域を知ってもらえるんじゃないかと。
実際、普通にサラリーマンをしていて、経理畑や、総務でもなければ、あまり税理士に依頼するような事案は生じないでしょうし、税理士に出会うということも少ないでしょう。
となれば具体的になにをしてくれるのかは、なおさら分からないことと思います。
税理士は何をしているのか?メインの仕事を見てみる
何をしているのかよく分からない税理士。
具体的には法人税、所得税、消費税、相続税などの申告書を作成することなんですが、多くの税理士は会社やフリーランス事業をやられている方をメインの顧客として、仕事をしています。
会社経営者となら法人税・消費税について、個人で事業(フリーランス)なら所得税・消費税の申告書を作成するという仕事ですね。
そのために、毎月かある程度の期間ごとに、会社へ訪ねていき、売上経費の会計データを預かりに行き、事業の進捗などについてお話したりしていますね。
あるいは、年に一度、申告書作成時のみに訪ねて会計データを預かる、という場合も。
会計データの預かり方もたくさんあって、会社が会計ソフトに入力したものを預かるケース、会社から領収書や納品書など、お金の動きや売上経費がわかる書類を預かるケースがあります。
未だに多くの税理士事務所では、会社から書類を預かり、それを事務所で職員が会計ソフトに入力する、という仕事がメインになっている部分もあるのです。
会社から会計データを預かって、チェックをするか、事務所で資料を会計ソフトに入力する、そして、その会計データをもとに、年に一度申告書を作成する。
実はここが問題となるところで、仕事の結果としては、ただデータを預かって申告書を作るというところに注力されてしまっていたりします。
実際にそれのみに注力、ということで、資料の受け渡しを郵送でし、事業内容の話をすることもなく、申告書の作成をするだけというケースもありますね。
割り切ってそれだけで良いよ、という依頼主の方に対してはそれで構わないのですが、案外、税理士が話を聞いてくれない、というのはよく聞く話でもあるので、ここに関しては、税理士のスタンスを確認したうえで、仕事を依頼したほうが良いかもしれませんね。
税理士は何をするべきなのか?軸はどこにするか?
会計データを預かって申告書を作成する、という仕事がトラディショナルであるなか、多くの税理士は特色を活かしたり、工夫を凝らしたサービスを提供していますね。
特定の業種に特化して、仕事内容についても深いところまで話が出来ることを売りにしたり、銀行の融資を受けやすくするためのサービスを提供したり、経営コンサルのようなことを交えたサービスを提供したり、など。
そんななか、税理士は何をするべきか?何を軸にしていくべきなのでしょうか?
先ほど、話を聞いてくれない税理士がいる、というお話もありましたが、そのあたりも税理士と依頼主がどういうスタンスで接したいかという部分も含めて、話す、ということが大事になってくるのではないかと思うのです。
仮になにかで特色を出している税理士であれば、なおさらかもしれませんが、しっかり依頼主と話をして、依頼内容や思いを聞き取って、どういうスタンスで接して、どういう仕事を提供するかのヒントにする、という点においても会話は大事になります。
考えてみれば、調子を崩して病院へ行くときも、しっかり話を聞いてくれるお医者さんが対応してくれると安心しますよね。頼みたいことがあったり、問題を抱えていたりすれば、やはり、しっかり話をすることで、依頼主は安心して仕事を依頼できるはずですからね。
会話を通して、場合によっては希望に添えない場合もあるかもしれませんが、よく話もせずに、その仕事内容に応えることができるかどうか曖昧なまま対応されるよりはマシでしょう。
どういうサービスを提供するのかという考えは、多種多様で良いとは思いますが、案外ないがしろにされがちな会話も、そんなの当たり前だ、という声もあるかもしれませんが、今一度見つめ直すのも大事かもしれません。