税理士ブログのわりに、税理士ネタが少なくなるような予感が・・・。
ということで、今日は、よく忙しそうにしている税理士について、税理士の1年を俯瞰しながら、忙しいポイントをつかんでみたいと思う。
続・税理士は何をしているかわからない
税理士という仕事は、以前もお話したように、あまり世間に知られていないように思う、といのが私の持論です。税理士の仕事は何かでクローズアップしにくい、というのもその要因かもしれませんね。そもそも税金をテーマに仕事をしているので、税理士その存在も、税金も、多くの方々に対しては、あまり身近ではないのが実情だからかもしれません。
身近でないということを表すひとつの実例として、会社に勤めているサラリーマンの方は、毎年年末に、給料の税金について年末調整を会社にしてもらって、年末年始に税金を還付してもらっていると思いますが、それがどういう制度で、どういうシステムで行われているか、よく分かっていない方が多いようです。会社から頼まれたものを出して、気付いたらいくらかお金がもらえた、という感覚になっている感じです。
年末調整だって、要は会社が自分の確定申告をやってくれたようなものなのですが、会社が逐一説明してくれるわけでもないでしょうし、入社時にそんのなことを研修でやるはずもないですしね。自分の身近な税金については、案外知らない方が多いのではないでしょうか。
税理士の1年からみる忙しいポイント
税金のなかでも多くの方に身近な年末調整を例にとりましたが、税理士はほかにも色々やってます。もちろん年末調整にも関わっていますが、他の業務も含めて、1年を俯瞰して忙しいポイントを考えてみます。
以前お話した、会社の税金申告、個人事業フリーランスの税金申告をメインにやっている税理士をトピックにあげて考えると、仕事は以下のようになります。
・会社(法人)の確定申告・・・法人税・消費税
・個人事業主の確定申告・・・所得税・消費税
・会社、個人事業主の年末調整事務の代行(年末調整の計算を会社等のかわりにやる)
・個人で不動産や株などの資産を売った方の申告・・・所得税(件数は少ないがある)
ざっとあげると、こんなところでしょうか。
まず、会社(法人)の確定申告ですが、多くの会社は、毎年、期末で数字を締めて、締日から2か月以内に法人税・消費税の申告を行います。
個人事業主の場合、締日は12月31日と決まっていますが、法人である会社は任意に決められるので、3月31日が締日とか、6月30日が締日とか、1年の期間は自由に決められるので、締日は12か月の末日、12回あると考えてもらえば良いかと思います。
12か月の末日から2か月以内の申告、といことで、仮にそこそこやっている税理士が12か月毎月申告に携っていれば(すなわち、関与先の締日がみんな結構ばらばらで、12か月に分散している)、毎月法人税、消費税の申告のため、関与先と決算打ち合わせ、そのうえで、申告書類の作成を行う、というものです。
ここでの忙しいポイントは、12か月常に締め切りがあるという点で、今月が終わったらまたすぐ次の締め切りがくる、というところですね。
そして、個人事業主(フリーランス)の確定申告ですが、これは締日は12月31日で決められていて、翌3月15日までに所得税の申告を、3月31日までに消費税の申告をしなければいけません。この2つ、期限は若干違いますが、数字が密接に絡むので、通常2つとも3月15日までに申告してしまいます。これに関しても、12月31日で締めて、3月15日の申告に向けて、事業主の方と打ち合わせを経て、申告書類を作成するわけです。
ここでの忙しいポイントは、個人は12月31日で締めて3月15日までに申告、ということで、締め切りが個人はみんな一緒、であるという点です。差は若干ありますが、一気に集中して仕事が押し寄せます。2月から3月はほぼほぼ寝ずに仕事をする・・・という税理士もいるでしょう。
また、上の、個人で不動産や株をを売った方の確定申告も、同様に3月15日が申告期限です。これも事業をやられている方の申告と同時に押し寄せてきます。
次は年末調整事務の代行、これは会社や個人事業主に代わって、そこで雇われている従業員の年末調整を税理士がかわりに行う、というものです。データとして、1年分の給料データと、従業員の個人情報や、生命保険の控除証明を集め、年末までに計算を終わらせ、会社や個人事業主に報告、従業員の源泉徴収票を渡します。
ここでの忙しいポイントは、依頼されるすべての会社の事務が、年末(11月12月)に集中する、という点です。これも押し寄せてきます。12月半ばから12月28日くらいまで、掛かりっきりになるという税理が多いかもしれません。
ざっとあげてみた仕事とその仕事をするタイミングと忙しいポイント、今回は割愛しましたが、まあ他にもインパクトはさほどでもなくても、仕事はあります。
税理士忙しいポイントを集約してみよう!
ここまでみてきた税理士の忙しいポイント、まとめると、こうなります。
毎月締め切りがある会社(法人)の申告に12か月対応し、それと並行して1月から3月は個人の確定申告に対応し3月15日を目指す。さらに年末は11月12月で年末調整も重なる。という感じです。これの他にも、毎月会社や個人事業主と数字の打ち合わせもしますし、年末調整に付随する業務や、単発での業務(相続や相談など)も重なる場合もあるでしょうし、多くの仕事が一時期に重なる、という場合もあるでしょう。
この状況を少しでも解消するポイントは、重複を極力減らす、という点ですね。会社(法人)であれば締日を自由に設定できるので、会社設立から携わるなら相談のうえ、割合都合のつく月にしてみるとか、あまりに重複していれば、その月の新規顧客は断るか・・・、など。
しかし、仕事に追われる税理士は、自分の仕事の整理はさほどできていないかもしれません。となると、来るもの拒まず仕事は受け、少しでも仕事をやりやすいようにする、という行動をとることすら出来ない可能性もありますね。
今回、税理士忙しいポイントをトピックにしてみましたが、税理士があまり対応してくれない、話を聞いてくれない、という場合が多々あるとは聞きますが、その忙しさに追いやられているのかもしれませんね。
自分の仕事をしっかり見つめながらやっていく、という事が一番大事かもしれません。