昨日のブログの編集後記でも書いたのですが、昨日は来年の1月にやることになった地元地区小学校での租税教育講義の参考のために、ほかの税理士の方の授業を見学に行ってきました。
そして帰宅後、見学した授業を参考にしつつ、どういう感じで進めていけば良いのか、アレコレ考えていました。
税金を学ぶ意味はなにか?何が大事なのか?
租税教育とは・・・?
そもそも、租税教育とはどういうものか?
今回私が見学した授業は、小学6年生に向けて行われたものでした。
租税教育自体は、小学校・中学・高校・専門学校など、それぞれの年齢に対応した内容で行われるのですが、最初に行われるのは小学生。その多くが6年生に向けてやるようです。
まだ成長段階にあるこども達にも税金について知ってもらって、税金がどういう役割で、どういうシステムで回っているのかなどについて学ぶことで、社会を知り、そして将来の自分のためにもなる・・・という感じでしょうか。
そして、今は社会の授業でも税金に触れているみたいで、「どんな税金知ってる?」というクイズでも、結構税目は上がっていました。昔自分のときはどうだったか忘れてしまったのですが、今は税金について小学生のうちから知る機会が多いということで、やや驚きました。
昨日は、地区の税理士が担当する授業を見学させてもらって、どういう感じで話を進めていくのか、いろいろと参考にさせてもらったわけです。
その授業見学を受けて、昨日は帰宅後アレコレとどういう授業にするかな~と考えて、そもそも税金を知る必要ってなんだろか・・・と、税金について考えてみました。
税金を学ぶ意味とは・・・?
租税教育として、さまざまな目的はあるにしても、最終的に到達すべきゴールは、「税金を知るって大事だよね。」というところにあるのでしょう。
「税金を知るのが大事」ということは、なぜ大事なのか?ということも大事なポイントになるはず。
この、税金を学ぶことが大事である理由は、大人の立場から考えれば明瞭ですよね。
税金を知ることで、得をする。あるいは損をしない。
個人で給与をもらうサラリーマンであっても、自分で事業をするにしても、法人で会社をやるにしても、相続財産について相続税申告をするにしても、いずれの税金についても、知らなければ適用されない税金が安くなる法律があります。
税金で損得について考えるのはあまり好ましくないことなのかもしれませんが、実際はそういうことになっています。
たとえば、個人で給与をもらうサラリーマンは、会社が年末調整をするので自分で確定申告をする必要はありませんが、仮に病気をして医療費がたくさんかかったりしていれば医療費控除を受けられるし、控除の対象になる財団などに寄付をすれば寄付控除なども受けられます。
これらはいずれも、その証明を添付して確定申告をすれば、税金が減る効果があるものです。
しかし、これは自分で確定申告をすれば出来ることであって、やらなければ税金は減りません。こういう制度があると知らなければ、そのまま通り過ぎてしまうことです。
また、話が前後しますが、サラリーマンは会社が年末調整をするので確定申告の必要はありません。給与にかかる税金は会社が天引きして、その残りを振り込んでくる。市民税のような地方税もほとんど同じようなシステムで天引きされています。
これは便利なシステムではあるのですが、納税意識・税金を払っている感覚を薄くさせる効果も生じているのではないかと思いますね。
この土台があるがゆえに、そもそも確定申告なんかよく知らないし、税金もよくわからない。控除のような制度も利用しない。ということに繋がってしまうのかもしれません。
このような状況にあっては、税金を知る大事さとは、自分が当事者となる税金の制度をある程度知っておく、というところにあるのではないか?と。
自分が関係してくる税金については知っていて、無意味に損をしない。フェアに制度を利用できるようになる。それが一番大事なことではないでしょうか。
将来大人になったときに、そうあるようにするためのベースとして、租税教育は活きるのかもしれません。
もしかすると、みんな知らないかもしれない税金
租税教育って、おそらく私がこどもの頃はなかったような気がします。
授業で軽く触れたことはあったかもしれませんが、そういう授業は受けた記憶がありません。
税金について知らなかったよなーと思える話として、高校生の時期にバイトをしていたときに、バイト先で扶養控除等申告書(会社に入ると書かされるもの)を書かされましたが、よく意味も分からずに書いていました。今思い返せば、それを渡してくれたバイトの先輩も、もしかしたら社員さんもその書類の意味は分かっていなかったのかも・・・なんて思ったりして。
あるいは、最近ブラックバイトとかが問題になっていますが、税金を利用してブラック行為をする悪い連中もいるかもしれません。
税金の制度をウソついて、「このバイト代だとこれだけ税金を引くルールだ」とか言われて多額の金額を天引きされたり。こういうのも、なかなか相談しにくいことです。そのまま騙されてしまっては絶対ダメですよね。
また、子どもだから、学生だから税金は知らないというのではなく、大人でもみんながみんな知っていることでもないのが税金の本当のところです。私もたまたま税金に関する仕事をしているから知っているだけで、そうでなければ学生のときのように知らないままだったかもしれません。
税金を知ることが大事なのは、まずは自分に関係してくることを知っておきフェアに制度を利用するため、そしてブラックバイト的に悪用されないため、と考えるとまとまりが良い気がします。
義務教育が終了するくらいの年齢になってから大人まで、その段階である程度の税金の素養がある状態を当たり前にするための、ベースとして、まさに「税金を身近なもの」にすることに意味が出てくる気がします。
と、ここまで税金はなぜ学ぶ必要があるのか、なぜ大事なのか、と考えてきました。
大人になったときにこうあるべきだろうな、というポイントをまとめて、租税教育に落とし込む。そして、授業にいかに織り込むかは・・・難しいところですね。(笑)
今日まとめてみた考えも、一回授業をやってみると違った変化が起きてくるのかもしれません。そこは楽しみですね!
編集後記
今日は移動の途中で眼科に寄って、コンタクトを買うはずが眼科は休み・・・。
あと5日分しかない!ので、なんとかそれまでにゲットしなくては・・・!